
一般に普及した太陽電池
太陽電池は皆さんもどこかで必ず目にした事がある筈です。ソーラー時計やソーラー電卓に使用されていたり、モバイルバッテリーの蓄電に使われていたりします。今では家庭で使用する電力の補助的な供給にまで使われるようになりました。こういった太陽光発電はどんな原理で発電し、どんな可能性があるのでしょうか。
太陽光発電の基礎原理
太陽光発電は、その名前の中に太陽が入っていますが、実際に太陽でなければ発電出来ないわけではありません。ある程度の光の強さがあれば、どんな場所でも発電が可能です。その原理としては、普段は原子の中にある電子が強い光が当たることによって飛び出してしまう光電効果という原理を利用しています。この原理を発電に生かすため、電気を適度に通す事が可能な半導体の素材が使われます。最近は半導体にシリコンを使った「シリコン太陽電池」が主流になっています。
太陽光発電の避けられない弱点
太陽光発電が光源に太陽を選択している以上、発電量が天気に強く左右されてしまうのは避けられない事になります。雨天は晴天時よりも大幅に発電量が減ってしまい、曇天でも明るさの変動により安定した電力の供給はできず、夜間に至っては発電をまったく期待できません。そして条件に恵まれて発電出来たとしても、そのエネルギー変換効率は他の発電方式との比較としてとても低い事がよくあげられます。しかし最近では以前よりも高い変換効率をもった太陽電池パネルが次々と開発されています。こういった高変換効率を期待できる太陽電池パネルは、宇宙開発などの最先端分野でも活用が期待されています。もうひとつ弱点を上げるならば、太陽電池パネルを設置するための広い土地を確保する時に地域住民とのトラブルが起きたり、環境破壊に繋がったりする懸念を指摘されています。また、台風などの強風災害時に太陽電池パネルが飛んでしまい、思わぬ被害を引き起こす事も問題となりました。
それでも太陽光発電は期待されている
しかし太陽光発電は様々な問題があるにも関わらず、むしろ自然エネルギー発電の旗頭として語られることもあります。太陽光発電の大規模利用計画の一つが、「砂漠地帯を利用した大型太陽光発電所」の建設計画です。日照時間の多い砂漠地帯に太陽光発電所を建設する事ができれば安定した発電量が見込める上、植物が育たない地であっても経済的な利益を生み出すことが期待できると考えられています。太陽光発電のデメリットを受けにくく、最大のメリットを受けることが出来るのが宇宙空間です。宇宙空間に巨大な太陽光パネルを設置する「宇宙発電所」という夢が語られています。宇宙空間で作られた電力をマイクロウェーブやレーザーに変換し、地上に送電する実験はかなりの段階まで進んでいます。
太陽光発電の価格は年々下がっており、設置にかかる費用も年々安くなっているため、導入を検討されている方は、今のうちに見積もりをしてみるのもいいでしょう。